ビール用語集(brewers glossary)

ビール用語集(brewers glossary) 

 はじめに

自家醸造のためのビール用語集をまとめてみました。何冊かある自家醸造の本を参考にして、ビール用語をピックアップして、まとめ てみました。自家醸造の本が少なく、詳しいことを知りたいときには海外の本に頼らざるを得ません。海外の自家醸造の本を読むにあたり問題となるのは、専門 語と思います。おもな専門語を集め、まとめました。参考にしてください。時期を見て、どんどん項目を増やしていく予定です。最終的にはビール小辞典を目標 にしています。(最終改訂2002/11/23)

「A」

aroma(アロマ)香気。口に入れず鼻でかぐ感覚。びーるをかいだときに感じられるすべての臭い。ビールでは(1)麦芽(malt)、ホップ、酵母など原料由来のもの。(2)エステルなど発酵中に酵母により生成される物質によるものがある。いわゆる、フルーツ臭、花の香り。

表現として、果実臭(フルーテイ、fruity)、花のような香り(フローラル、floral)、草のような香り(グラッシイ、grassy)、穀物臭 (グレイニイ、grainy)、酸化臭(オキシダイズド、oxidized)、カビ臭(モルデイ、moldy)、イースト臭(イーステイ、 yeasty)、スカンク臭(スカンキイ、skunky)、ダイアセチル臭(ダイアセチル、diacetyl)、フェーノール臭(フェノーリック、 phenolic)、など

aroma hops. (アロマホップ)精油成分の多く含まれたホップ。精油成分は揮発性が高い。アロマホップの入れるタイミングは、麦汁煮沸の終わり近く。煮沸を終えた麦汁を濾過器に入れるとき、二次発酵中にドライホッピングするなど。

acid rest. (アシド・レスト)糖化の初期段階で糖化液の温度を35度の状態に保つこと。この行程でフチン酸が形成され糖化液のpH値が低下する。(歴史的には)デコクションにより糖化を糖化を行うときはアシド・レストを行う。多くのブルわーでは、石膏を用いてpH値を補正する方法が取られている。

ADA  Apparent Degree of Attenuationの略。その酵母の持つ希薄化の値。希薄化とは酵母の糖分を分解する能力。

adjuncts. (副原料)モルト化した大麦(malted barley)以外の発酵可能な原料。コーン、デンプン(スターチ)、米、小麦(wheat)、モルト化していない大麦(unmalted barley)、ブドウ糖(glucose)など。副原料にはタンパク質等の窒素含有量が少なく、大麦を発芽させたときにできる酵素がないのが特徴。窒素成分が少ないと味に重い感じが無くなり、淡泊な味わいのビールとなる。

aeration. ( エアレーション)(麦汁に)空気を通気させること。麦汁の中に酸素をとけ込ませること。醸造過程の様々なステージいおいて麦汁に空気を通すこと。 特に発酵のはじめは、酵母は好気性呼吸をするため、酸素を必要とする。ビールを上手に発酵させるためには、麦汁を完全にエアレーションしておく必要があ る。温度が低いほど酸素が溶解しやすいので、麦汁の温度を27度以下で行う必要がある。高い温度でのエアレーションはメラノイジンの酸化が起こり、後の ビールの酸化の原因となる。麦汁に酸素が適量溶解していないと、酵母の働きが鈍くなり十分な発酵ができない。オフフレーバーの原因となる。

aging.(エイジング)熟成。発酵の終わったビールを休ませ熟成させる行程。エイジングによって発酵に伴ういろいろなオフフレーバーが少なくなり好まし いビールになる。エイジングの期間はビールの種類によって異なる。1週間と短期間のビールも在ればバーレワインなどは数ヶ月から数年間を要するものまであ る。

airlock. (エアーロック)発酵栓。麦汁を発酵タンクにいれ発酵中、発酵タンクから炭酸ガスを外に出し、空気中から雑菌混入(contaminants)を防ぐ、一方通行の弁(valve)。

alcohol by volume(v/v). (アルコールの容量濃度;容量%)ビールの容量に対するアルコールの容量の割合。アルコールの容量濃度のおおよその計算方法は、初期比重から最終比重をひいて、その結果を75で割る。例;1.050-1.012=0.038/0.0075=5%v/v。

alcohol by weight(w/v). (アルコールの重量濃度;重量%)ビールの容量に対するアルコールの重量の割合。例;3.2% alcohol by weight(3.2重量%)とはビール100mlに対してアルコールが3.2グラム含まれる。重量%=容量%*0.795。

ale.(エール)分類されるビール群のひとつ。上面発酵(top fermentation)の比較的温かい温度(摂氏18から26度)で造られるビール。 

all grain beer(オールグレインビール)モルト化された大麦(malted barley;麦芽)のみを使って造られたビール。モルト濃縮液(malt extract)のみを使って、又はモルト濃縮液と麦芽を使って造られたビールとは、反対の意味を持つ。

alpha acid.α-acid(アルファ酸)ホップの主要な苦味成分(bittering agent)。ホップに含まれる3種類の酸、すなわちフムロン、コフムロン、アドフムロンをいう。ホップのまり花の中にあるルプリン顆粒の中にホップ樹脂 (resins)が存在し、その樹脂の1成分がα-acidで、ビールの主要な苦味の前駆物質である。α-acidは麦汁に不溶性であるが、麦汁を煮沸す ることにより、α-acidsは異性化されてiso-α-acidsとなり、麦汁に溶解し苦味がビールに付く。煮沸時間により、又麦汁の濃度により溶け出 る割合が異なる。α-acidはフムロン(humulone)とその類似物質からなるフェノール化合物であるが、通常α-acidというときには、Co- humuloneの量を意味する。

alpha acid unit.(AAU)ホップの中に含まれる苦味を測定したもの。alpha acidの割合(%)で表記される。例;Low=2 to4 %、medium=5 to 7%、high=8 to 12 %。また、alpha acid units.(AAUs)はホップのα-acid含有量とホップの重量(オンス)を掛けることによって計算される。たとえば、4%のα-acid含有量のホップ1オンスは4AAUs含まれる、という意味。 

alt.(アルト) ドイツ語で古い(old)という意味。アルトとは熟成のため低温での貯蔵(lagering)がなされた上面発酵のビールのスタイルのひとつ。

amino acid.(アミノ酸)タンパク質を構成している有機酸の総称。酵母の発酵に欠かせない栄養源。

amylaze.(アミラーゼ)デンプンを発酵可能な糖分に分解する酵素。2種類ある。α-アミラーゼ———67~8℃で活発に働きデンプンの1-6 結合を分解して、麦芽のデンプンをグルコース、マルトースなどの発酵可能な糖と非発酵性のデキストリンに変える。

β-アミラーゼ———62~3℃で活発に働きデンプンの1-4 結合を端から分解して、グルコース、マルトース、マルトトリオースなど発酵

可能な糖に分解する。

anaerobic.(嫌気性)呼吸代謝において、酸素が十分にない状態を意味する。酵母のような微生物は酸素がなくても嫌気性呼吸が可能。酵母は酸素が存在す るときは好気性呼吸を行い、糖を炭酸ガスと水に分解し、ATPというエネルギーを多量に産製する。酸素がない状態では嫌気性呼吸を行い、糖を炭酸ガスとア ルコールに分解する。

apparent attenuation. (糖発酵度)発酵工程において酵母によって消費された麦汁中の糖の割合いを意味する。その値をパーセントで表す。単位はAA%と 表現する。たとえば、初期比重が1.050で最終比重が1.020とするとAA%=60%となる。AA%でビールの特徴を把握することが出来る。初期比重 が1.050で最終比重が1.010とするとAA%=80%となりアルコール容量濃度は5.2%でライトボディのビールと考えられる。一方、初期比重が 1.050で最終比重が1.020とすると、AA%=60%でアルコール容量濃度は3.9%でフルボディのビールとなる。

attenuation.(アテニューエーション)希薄化。酵母は発酵においてアルコールがある程度生成されると、発酵を停止する性質がある。このことを希薄化レベルという。希薄 化レベルは酵母の種類によって異なる。ADAとは酵母の希薄化能力を数値で表したもの。ADA75%とは麦汁に溶けている糖分の75%をアルコールに発酵 することを意味する。

autolysis.(自己融解) 栄養の欠乏、その他の原因により酵母が死ぬこと。酵母臭の原因となる。

「B」

barley.(バーレィ)ビールを作るために用いられるイネ科の植物。穀粒が2列に並んで実る大麦を二条大麦といい、6列に並んで実る大麦を六条大麦という。

beerstone.(ビールストーン)発酵用器に残った茶ー灰色の鉱物様の沈殿物。カルシュム蓚酸塩(calcium oxalate)と有機物残留物(organic residues)から構成される。

blow-off.(ブローオフ)プラスチックのチュウーブをcarboyの口に取り付け、他の端を無菌の水の入れ物に沈める、自家醸造で用いられる発酵方法。不 必要なカスや炭酸ガスがチュウーブを通って外へ追い出され、一方、外気と発酵中のビールとが接触することがないので、雑菌混入 (contamination)を防ぐことができる。

また、Kraeusen(クロイセン)がチュウブを通して発酵タンクより排出されるので、ビールには都合がよい。

body(ボデイ)コク。味わいの厚み、濃いうすい(濃淡)、味の豊かさ、ふくらみ、はば、淡麗などをしめす用語。ビールテイステイング用語で(1)full body=厚みがあり豊かなボデイ。(2)depth body=深みのあるボデイ。(3)light body=軽いボデイ。(4)rich body=豊かなボデイ。(5)heavy body=重厚な重いボデイ。

break.(ブレイク)麦汁に含まれているタンパク質が凝結沈殿すること。麦汁を煮込んでいるときに起こることを「hot break」といい、冷却しているときに起こることを「cold break」という。

brewmaster.(ブルーマスター)ビール醸造においてすべての行程に責任を持つ人。醸造監督。

brewer.(ブルーワー)ビールを醸造する人。ビール職人。

「C」

carbonation.(カーボネーション)炭酸ガス(carbon-dioxde)をビールに含ませる過程のこと。瓶詰めの時、一次発酵終了後の若ビール(fermented wort)に砂糖を加える(priming)と、瓶の中で二次発酵(secondary fermentation)がおこり、一定圧のもと炭酸ガスがビールの中にとけ込む。

carboy.(カーボイ)大きなガラス製の、プラスチック製の、陶器(earthenware)製の容器。grass carboyには5-gallon(約19L)と、6.5-gallon(約24.5L)の大きさのものがある。

cask.(カスク)ステンレス、木製の容器。濾過しないビールを入れて自然熟成させるために用いられる。

chill haze.(チルヘイズ)ビールが常温の時は澄んでいるが、冷蔵庫に入れて冷却すると白く濁ることがある。この現象をchill haze.(チルヘイズ)という。タンパク質やタンニンが常温ではビール中にとけ込んでいるが、ビールの冷却によってによってタンパク質やタンニンがビールから分離して、浮遊し始めることで白濁する。見かけだけの現象で、ビールの味や風味には影響はない。

chill-proof(チルプルーフ)

chill hazeを知覚できるくらいに冷たい状態。冷却沈殿とはビールを冷やしすぎると白く濁るチルヘイズのことをいう。 

closed fermentation.(閉鎖発酵)雑菌混入(contamination)や酸化(oxidation)の危険を最小限にするため、閉鎖された状態での、無酸素状態(anaerobic condition)での醗酵(fermentation)。反対の言葉としてopen fermentation がある。これは醗酵タンクの蓋を閉めることなく醗酵をしている状態。

cold break(コールドブレイク)沸騰した麦汁を急速に冷却するときに生じる、タンパク質やフェノール類の凝結したもの。鍋のそこに沈み「Trub」を形成する。

Conditioning.(コンディショニング)ビール醸造行程で炭酸ガスを発生させること。

「D」

decoction.(デコクション)煮出す、煎じ出す、煮詰めるという意味のデコクト(decoct)の名詞。デコクション・マッシュ;糖化槽から麦芽の糖化液の約三分の一を取り出して20~45分間煮沸し再び糖化槽に戻す。その回数によって、シングルデコクション、ダブルデコクション、トリプルデコクションがある。伝統を重んじるドイツの醸造所でみられる。

dimethyl sulfide(DMS).モルト由来の主要な硫化物質。低い濃度では、パリパリとした風味(crisp)やいわゆる”lager like”の特徴をつけるが、高い濃度では、コーン臭や煮た野菜の風味をつける。

dry hopping.(ドライホッピング)一次発酵ビールや二次発酵ビールや樽に入ったビール(casked beer)にホップを加えること。できあがったビールに苦味(bitterness)を加えることなく、ホップの香り(aroma)や特性を加えることが できる。特に、煮沸している麦汁にホップを投入したときに、すぐに消失してしまう香り成分をビールに付けることができる。ドライホップを投入後は、1,2 週間置いておきます。ドライホップを投入するときには、ある程度のアルコールが生成されていますので、雑菌汚染やホップに付いている野生酵母による汚染の 心配はいりません。ドライホップに用いるホップの殺菌消毒の必要はありません。ペレットタイプ、プラグタイプ、ホールタイプのホップすべてドライホップと して使用することができます。

「E」

EBC(European Brewery Convention).

SRM参照。

enzymes.(エンザイム) 酵素。ビール造りに欠かせない酵素は、大麦の種から麦芽を造る過程(モルティング)で麦芽の中に造られます。この酵素を利用してデンプンから発酵可能な糖に変換されます。

esters.(エステル)酵母の代謝によって生じる香気物質(aromatic compounds)。バナナ、ベリーなどのフルテイーなにおいをビールにつける。酵母由来の酵素(yeast enzymes)により、アルコールや酸より造られる。エール酵母(上面発酵酵母)でよく生成されるが、ラガー酵母(下面発酵酵母)でも、ある一定量生成される。麦汁(wort)に含まれる酸素の量が少ない(low wort oxygenation)とき、高い発酵温度(high initial fermentation temperature)のとき、麦汁の比重が高い(high-gravity wort)とき、より多く造られる。

extract.(エクストラクト)水に溶けている糖分の量。

「F」

false bottom.(フォルス・ボトム)濾過槽の底に設置された疑似底で、麦汁を流す穴が多数あいている。フォルス・ボトムはマッシュ液から麦汁と麦芽粕に分離するのに 使われる。本当の底とフォルス・ボトムとの間には2~3cm程度の隙間があり、そこを通ってマッシュ液の麦芽粕を取り除かれた麦汁が流れ出るようになって いる。

finings.(ファイニングス)ビールの透明度を増すために添加される清澄剤のこと。分子の電荷を利用してビール中の浮遊物を取り除く。isinglass(魚の浮き袋から造るゼラチン様物質)、gelatin(ゼラチン、精製にかわ)、bentonite(ベントナイト、年然産の膠状抱水珪酸アルミニュウムを主成分とする)、silica gel(シリカゲル、コロイド状のシリカ(SiO2))、polyvinyl pyrrolidone(ポリビニールピロリジン)などを用いてビールを澄ませる。

flavor(フレーバー)口に含んだときに感じる味や香り。風味。ビール醸造用水の性質、麦芽や酵母の違い、仕込み方、熟成度、飲むときの温度によって大きく変わってくる。

flocculation.(フロキュレーション)凝結。発酵を終えた酵母が互いに集合して底にたまること。別の意味に、煮沸することにより、フェノール類(phenols)やタンパク質を凝結させる。凝結物のことを、煮沸のときはホットブレイク(hot break)といい、coolingのときはコールドブレイク(cold break)という。

finings.(ファイニングス)ビールの透明度を増すために添加される清澄剤のこと。分子の電荷を利用してビール中の浮遊物を取り除く。

fermentation.(ファーメンティション)発酵。酵母のはたらきで糖類が嫌気性呼吸によりアルコールと炭酸ガスに変わる行程をいう。エールでは4~6日、ラガーでは7~10日ほどかかる。

「G」

gallon.(ガロン)液体の量を表す単位。アメリカでは1ガロンは3.7853リットル。英国では1ガロン4.546リットルである。

gassing.(ガッシイング)日本語訳は「噴き」。ビールを丁寧に扱っているにも関わらず、開栓した時に泡がいきよく吹き出すこと。瓶詰め時、プライミング シュガーを使いすぎたときに、また、瓶詰め時に発酵可能な糖が沢山残っている場合に起こる。その他の「噴き」の原因として、(1)発酵時に生成されるシュ ウ酸カルシュウムが核となり噴きが起こる、(2)ホップの成分に噴きを促進するものがある、(3)金属イオンが高いとき、などがある。

gravity.SG.(比重)比重とは同体積の水と比べた溶液の重さを意味します。SGとは醸造家によって表現される比重(Specific gravity).。すなわち、sp gr1.046はSG1046と表現される。GU=(グラビティユニット)は初期比重の下二桁を意味する。たとえば初期比重1.048ならばGU=48。

Grist.(グリスト)ミルで挽いたモルトのこと。

「H」

head.(ヘッド)グラスに注いだビールの泡。別の意味として、一次発酵の際麦汁の表面をおおう泡。ヘッド・リテンションとは泡の持続時間を意味しビールの評価のさい重要なチックポイントとなる。

homebrewing.(ホームブルーイング)ビールを手造りでつくり、楽しむこと。非常に美味しいよ。日本では1%以上のアルコール飲料を家庭で作ることは、酒税法で禁止されている。

homebrewers bittering units.HBU.American Homebrewing Associationにて採用されたビールの苦味(bitterness)を評価する方式。homebrewerが使うのに便利な苦みの指標。計算方法 はhopsのalpha-acid値×hopsの量(オンス)。HBUはビール1ガロンあたりの指標として考える。例;5ガロンのビールに対して、10% のalpha-acidのホップ1.5オンスの苦味=1.5×10=15HBU per 5ガロン。1ガロンあたり3HBUとなる。

レシピの本で5HBUと書いてあれば、1ガロンあたり5HBUのホップを使うことになる。5ガロン仕込みだと25HBUのホップが必要。

hop pellets(ホップペレット)

粉状になったホップを小球弾状(pellet)に圧縮したもの。Hop pelletはwhole hopsに比べて、alpha-acidのlossが少ない。whole hopsは香りが多くなると言われている。

hot break(ホットブレイク)麦汁を沸騰したときに生じる、ポリフェノールとアルブミン等のタンパク質との凝塊物をいう。麦汁の沸騰が始まると、まず麦汁が白 く霧状の小粒子として現れ、なおも麦汁の沸騰が続くと、小粒子は大きな凝塊物となる。50から60%はタンパク質で、20から30%はポリフェノールで、 15から20%は樹脂(resin)で、残り2から3%は灰(ash)で構成されている。この凝塊物であるhot breakは容易に沈殿する。

hydrometer.(比重計)水と比較しての液体の重量(the weight of a liquid)を測定するために使われる器具。

「I」

infusion.(インフュージョン)

infuse(インフューズ)は、薬草やお茶などを水やお湯に浸して成分を出させるという意味でinfusion.(インフュー ジョン)はその名詞。デンプンを糖に変換させるプロセスを糖化という。ビール醸造において、マッシュ液全体の温度を変えて糖化や蛋白分解を行うやり方を意 味する

international bitterness unit.IBU.ビールの苦みを表す方法の一つ。ビールまたは麦汁(wort)1リットルあたりにiso-alpha-acidが何ミリグラム含 まれるかを評価する標準的な単位。oneIBUとはビールまたは麦汁1リットルにたいして1ミリグラムのiso-alpha-acidに等しい(One IBU is equal to 1 milligram of iso alpha acid in 1 liter of wort or beer.)。iso-alpha-acidはalpha-acidの異性体でビールの苦味成分である。% Utilizationは麦汁の煮沸において、alpha-acidからiso-alpha-acidに異性化する割合を意味する。たとえば、% Utilization=30%とは、麦汁の煮沸時に、alpha-acidの30%が異性化されてiso-alpha-acidに変化することを意味し ます。

IBU=(Weight(ounces) of hop ×% alpha acid of hop ×% Utilization)/(Volume(gallon)×1.34)で求めることが出来ます。% Utilizationは、ホップの煮込み時間と麦汁の比重によって異なりなす。麦汁の濃度が高いときは% Utilizationは小さくなります。

麦汁の比重が約1.040の時の% Utilizationを表に示します。

tIme of Boil

% Utilazation

15 minutes

8%

30 minutes

15%

45 minutes

27%

60 minutes

30%

例;5%のalpha-acidのHallertauer hop 2 オンスを比重1.040の麦汁 5ガロンの中で、15分間煮込んだときのIBUを計算すると;IBU=(2×5×8)/(5×1.34)=11.9 IBUs となります。

Irish Moss.(アイリッシュ・モス)アイルランド産の海藻。麦汁の煮込み終わる15分前に小さじ1パイぐらいのアイリッシュ・モスを投入すると、マイナスの電子を帯 びたアイリッシュ・モスは、プラスの電子を帯びたタンパク質と結合して大きな固まりとなり沈殿する。麦汁の煮込みで生じたタンパク凝固物質は、アイリッ シュ・モスを入れることで取り除くことが出来る。

isinglass.(アイシングラス)

チョウザメの浮き袋から造られたゼラチン様の物質。ビール中に入れることにより酵母はアイシングラスの静電気により塊となり、タンクの底に沈む。ビールの清澄剤として使われる。カスクコンデションのエールには欠かせない。

「K」

keg.(ケグ)ステンレスで造られたビール樽。ケグに詰められるビールは濾過され、約2.5ボリュウム程度までカーボネーションが行われる。

Kraeusen.(クロイセン)発酵初期に若ビールの上に浮かんでいるイーストの泡のこと。クロイセンの表面にはレズンのかすでできた茶色の苦い膜ができる。この苦みはビールには好ましくない苦みである。

「L」

lager.(ラガー)「貯蔵する」意味。エールに対比する言葉で、下面発酵によってできたビール群を示す。

lauter.(ローター)ドイツ語から来た言葉で浄化する(purify)、または漉す(strain)。

lauter-tun.(ロータータン)糖化液(mash)を入れる容器(vessel)で、漉すことによって甘い麦汁(wort)のみが取り出せる容器。穴のあいた二重底(false bottom)と蛇口(spigot)が付いている。

lintner.(リントナー)麦芽に含まれるアミラーゼ酵素の強さを表す単位。値が大きいほどデンプンを糖に変える能力が強い。アメリカン産の二条大麦、六条大麦から作った麦芽はリントナー値が高い。

Lovibond.(ロビボンド)アメリカで使用されているビールの色を測るシステム。1ポンドの麦芽を使って1ガロンのビールを造ったときのビールの色を表す。

luplin.(ルプリン)ホップの鞠花の中心部にある黄色い顆粒。粘着性の黄色い顆粒でホップの樹脂成分と精油成分を含む。ホップのあろま、苦み成分はこのルプリン顆粒に含まれる。

「M」

Maillard reactions(メイラード反応)はアミノカルボニル反応とも呼ばれ、アミノ酸のアミノ基(-NH2)と糖のカルボニル基(-CHO)が反応してメラ ノイジンという着色した高分子が出来る反応をいう。メラノイジンはビールの色の主成分の一つ。メイラード反応はアルカリ条件下では迅速に進む。

malt.(モルト、麦芽)

水に浸け、発芽させ、そして乾燥釜(kiln)で乾燥させた大麦のこと。発芽により、デンプンを糖に分解する糖化酵素やタンパク質を分解する酵素等と、少し分解の進んだ貯蔵物質ができる。

malt extract.(モルトエクストラクト)マッシングによって造られた麦汁を煮詰めて濃縮液にしたもの、またはパウダー状にしたもの。パウダー状のモルトエクストラクトはどらい・エクストラクトという。

mash、mashing.(マッシュ)mashingとは、麦芽(malt)に含まれる酵素により麦芽を甘くて、酸味のある麦汁(wort)に変化する過程(process)。mashとは、すりつぶした麦芽を湯に浸したもので、すりつぶしたどろどろとしたもの。麦芽汁。

麦芽を糖化槽(マッシュタン)に移して温水を温水をいれ、よく撹拌して一定温度で一定時間かけて糖化する(この過程をmashingという)。麦芽に含まれる酵素の働きでデンプン質分解が起こり、甘くて、酸味のある麦汁(wort)となる。

糖化の方法には3種類ある。

1. シングルインフュージョン・マッシュ;温度を最後まで一定に保って糖化する。糖化の温度を低めに設定(60~64度);マルトースな ど発酵する糖が多くなり、アルコール度数が高めのドライなビールとなる。糖化温度を高めに設定(66~70度);デキストリンなど発酵しない糖が多くな り、ボデイの強いビールとなる。

2. スッテプ・インフュージョン・マッシュ;途中で温度を何度か変えて糖化する。一般的にはマッシュ液を約50℃で約30分間保ち(protein rest)、その後温度を上昇させ62から67℃で60間一定(Saccharification Rest)に保つtwo-step infusion mashを指す。

3. デコクション・マッシュ;糖化槽から麦芽の糖化液の約30から40%を取り出して20~45分間煮沸し再び糖化槽に戻す。伝統を重んじるドイツの醸造所でみられる。

mash tun.(マッシュタン)糖化糟のこと。マッシュングするための大きな鍋。

melanoidins.(メラノイジン)褐色の有機体で麦汁を煮沸しているときに化学的反応で形成される複合体でビールの色合いに関係する。この化学的反応を Maillard reactions(メイラード反応)と言い、アミノ酸と糖などの炭化水素化合物との一連の化学的反応である。ビールの色の一つはこのメラノイジンによ る。麦汁を煮沸すると麦汁の色は濃色になる。これはメラノイジンか形成されるからである。すなわち、麦汁の煮沸時にアミノ酸と糖とがメイラード反応を起こ し、メラノイジンが形成され、ビールの色に反映される。また、メラノイジンは様々な風味を持ち、それ自体電子伝達系の働きをする。すなわち、ビールの酸化 還元に関係する。

mouthfeel.(マウスフィール)口当たり。口に入れたときの感覚。口に入れたときの印象。用法は、light mouthfeel、smooth mouthfeel、sweet mouthfeel、など。「マウスフィール」として、日本語として用いられることが多い。マウスフィールの要素として、ボデイ(body)、炭酸ガス含 有量、ホップの苦味、糖度、ビールを飲むときの温度、が重要。フレーバー(風味)とマウスフィールは、一応区別して使用される。

「O」

original gravity.発酵する前の麦汁(wort)の比重(specific gravity)。麦汁の中に溶けた溶解物(dissolved solids)の総量を表す。

oxidation.(酸化)他の分子に酸素が結合すること。アルコールからアルデヒドができるため、オフフレーバーの原因となる。

「P」

phenols.(フェノール)ポリフェノールなどの芳香性のある水酸化化合物。フェノールはビールにおいては薬品臭と記載される。タンニン、雑菌繁殖、消毒液、プラスチックなどが原因。Wheat Beer(小麦ビール)では、重要なフレーバーとなる。

pitching.(ピッチング)無菌の麦汁に活発に培養された酵母を接種(inoculate)すること。麦汁に酵母を加えること。

plato.(プラート)麦汁の濃度を表す単位。糖度。

polyphenol.(ポリフェノール)chill haze構成体や酸化して気の抜けたビールの中に含まれる、フェノール化合物の複合体。

primary fermentation.(一次発酵)最初の発酵。この発酵の間に、発酵しやすい糖がエチルアルコールと炭酸ガスに分解される。

priming.(プライミング)若ビール、熟成の終わったビールに糖を加えて、酵母の作用で発酵させて炭酸ガスを発生、カーボネーションすること。

priming sugar.(プライミングシュガー)ビールを瓶詰めする時に加える少量のモルト、コーン、砂糖のこと。瓶の中で、新たに発酵が始まり炭酸ガスが造られビールの泡となる。

protein.(タンパク質)アミノ酸のコロイド状の複合体。約16%の窒素の他、炭素、水素、酸素を含んでいる。さらにタンパク質の種類によっては硫黄、リ ン、鉄を含む。真のタンパク質(true protein)は分子量17,000から150,000であるが、ビール中では、分子量5,000から12,000(アルブミン、プロテオーシス(タン パク質の分解生成のうち、煮沸による凝固性を失ったもので、水には易溶性を示す))、分子量400から1,500(ペプタイド)、アミノ酸に分解されてい る。濁りの原因となる粒子(haze fraction)としてのタンパク質は分子量が10,000から100,000(平均30,000)の範囲である。泡(foam)持ちをよくするタンパ ク質の分子量は12,000から20,000の範囲である。

protein rest.(プロテイン・レスト)mashing行程で、糖化液の温度を50~55℃前後では、麦芽の含まれる蛋白分解酵素を活性化させる行程。この行程でマッシュ液のタンパク質が分解されアミノ酸が産生され、このアミノ酸がイーストの栄養源になる。

proteolysis.蛋白分解酵素によって大きな分子のタンパク質が小さな分子のタンパク質に分解されること。

「R」

racking.(ラッキング)麦汁やビールをひとつの容器から別の容器に移すこと。具体的には若ビールを一次発酵容器から二次発酵容器に移し替えること。一時発酵容器には沈殿物を残すようにする。

rest.(Mash rest)糖化液(mash)を、ある種の酵素反応を引き出すために、特定の温度に保つこと。摂氏50度から55度の温度で主にタンパク質の酵素分解が中心に起こります。このことをProtein Rest(タンパク休止)と言います。62度から67度の温度では主に炭水化物の酵素分解が起こります。このことをSaccharification Rest(サッカリフィケーションレスト)言います。

roasted barley.(ロースト・バーレィ)麦芽でない生の大麦の種を高温でローストして、700ロビボンド値程度の濃い焦げ茶色にまで色を付けたもの。スタウトに用いられ特有の苦み風味をもたらす。

ropy fermentation.粘着性のゼラチン状の小塊。いわゆる「ロープ」。雑菌混入が原因。特にPediococcucが原因といわれている。

「S」

sanitation.(サニテーション)衛生管理。「洗浄」と「殺菌消毒」のプロセスがある。ビール造りに使う道具や器具をきれいに洗い、殺菌しておくこと。美味しいビールを造るには必要不可欠な行程。

sparging.(スパージング)糖化に使われた麦芽に温水(摂氏75度)をかけて、麦芽に残っている糖を回収すること。spargingの目的は少しでも麦芽に残っている糖を回収すること、仕込むビールのスタイルに合わせ麦汁の比重を調節する、2つの目的があります。

SRM(standard Reference Method) and EBC(European Brewery Convention).SRMはアメリカで用いられるビールの色合いを表す単位。ビールの色を記載するのに使われる、二つの異なった方法。SRM値は、ほぼLovibond値と等しくASBG(American Society of Brewing Chemists)によって、使用されている。一方、EBC値はヨーロッパ地方で使用されている。おおよその変換公式を示す。

(゜EBC)=2.65*(゜Lovidond)-1.2

(゜Lovibond)=0.377*(゜EBC)+0.45

Color (色)の計算方法

色は麦芽のロースト具合とその配合により決まります。

Color of beer=Σ(pounds of malt A*colar rating(゜Lovibond) of malt A)/gallons of beer

[例] 2.0LovibondのU.S. 2-Row Pale Maltを8 lbs.(8ポンド)と50Lovibondのクリスタルモルト 1/4 lb(0.25ポンド=約113グラム)を使って、アメリカンペールエールを5ガロン(約19リットル)仕込んだときのColar (SRM)は(2*8+50*0.25)/5=5.7となります。

      

starter.(スターター)予備発酵。(1リトル前後の容器にて)活発に発酵している酵母で麦汁の中に入れる。Wyeastのパッケージを読むと、比重 1.020の麦汁を作り、その麦汁に膨らんだWyeastの酵母液を入れ、エアーロックを付けさらに多くの酵母を作ります。スタターに使う麦汁はドライモ ルトを使います。だいたい、水200mlあたり、ドライモルトをテイスプーン2杯の割合でいれて、沸騰させ、冷却します。12から24時間後に、使用でき るようになります。液体酵母だけでなくドライイーストでも、スターターを作るべきです。スターターで使用する糖ですが、ドライモルトが適していると考えら れます。ビールを醸造する時に使う酵母(ビール酵母)は麦芽糖で最も繁殖のに適している酵母をセレクトしていると考えられる。もし、麦芽糖以外の糖(たと えば、砂糖や蜂蜜など)を使うと、酵母に何らかの影響を与え、オフフレーバーの原因になると考えられます。たとえば、ブドウ糖で予備発酵をしたときには、 麦芽糖を発酵できない突然変異をした酵母が多く繁殖する可能性が大きくなることになる。

sulfate.(サルフェィト)硫酸塩。硫酸塩を多く水でビールを造るとホップの苦みが利いたビールができる。ナトリウムを多く含む水に硫酸塩を加えると不快な苦みに変わる。

「T」

tasting.(テイスティング)試飲。ビールを一定の方式に従い飲み評価すること。

tannin.(タンニン)ビールに渋みを与えるポリフェノール複合体。タンパク質とコロイド形成可能。ビールにおいては大麦の殻に含まれる。ホップブレイ クで除去可能。タンニンはマイナスに荷電していて、プラスに荷電しているタンパク質と結合して沈殿する。タンニンは麦芽の殻に含まれている。糖化行程で糖 化液を熱しすぎたり、スパージング時の温水の温度が高すぎると多量に抽出される。糖化液のpHが高いと多量に抽出される。

trub.(トゥループ)ビールの濁りを形成するタンパク質とポリフェノールの凝集したもの。麦汁を煮込んだとき、鍋の底に沈んでいる。

「U」

ullage.(アレッジ)head space ともいう。ボトル詰めのビールのビールと王冠との間の隙間のこと。

unitank.(ユニタンク)底が円錐型になっていて密閉式のステンレスのタンク。

「Y」

yeast.(イースト)酵母。直径が5~10ミクロンの単細胞菌類。酵母は出芽によって増殖する。

%yield.(収率)麦芽からマッシュングに麦汁に糖化される糖の割合。

収率(%) =((比重 – 1.000)/0.4 )× 比重 × ウォート体積(litter) ÷ モルト質量(kg) × 100

    =8.34×((比重 – 1.000)/0.4)× 比重 × ウォート体積(gallon) ÷ モルト質量(lb) × 100

例えば、グレイン8ポンドで5ガロン仕込んで、初期比重が 1.048 なら、

収率 (%)= 8.34 x 1.048 x ((1.048-1.000)/0.4 )x 5.0 / 8.0 x 100 = 65.5 (%)

となる。

ここで、(比重 – 1.000)/0.4 で糖度(%ではなく割合)を意味する。それに比重と麦汁の体積(リットル)をかけることにより麦汁に含まれている糖の総重量(Kg)が計算でき、それを使った麦芽の総重量で割ると求められる。

「W」

water hardness.水にとけ込んでいる金属の程度。

well-modified(ウエルモデイファイド){とけのよい」という意味。直訳はよく修飾されたという意味であるが、たとえばイギリス産の麦芽(pale malt)は貯蔵物質の分解が進んだ麦芽でありタンパク含有量が少なく(すなわち大麦中のタンパク質が麦芽内でアミノ酸に十分分解されている)、マッシングにおいてprotein restを必要としない。この場合のwell-modifiedとはモルトの貯蔵物質の分解が進んだという意味としたい。反対の言葉としてunder-modifiedがある。

wheat.(ウイート)小麦。麦芽にしたものと生のままがある。小麦は大麦よりタンパク含有量が多いので、ビールの泡持ちが良くなるが、白濁する。小麦は殻が無いので多く使うとロータリングやスパージングがスムーズにできなくなる。冬まき小麦はタンパク含有量が少ない。

whirlpool.(ワールプール)煮沸した麦汁からホットブレイクやホップ粕を分離させるために使われるステンレス製のタンク。実際のブルワーでは煮沸釜の麦汁を ポンプでくみ出しワールプールの内壁に沿って勢いよく流し、回転性の渦を造りしばらく放置しておくとホットブレイクやホップ粕はワールプールの底中央に富 士山の様な塊となって現れる。自家醸造では煮沸した麦汁を大きなへらで大きくかき回して渦を造り煮沸釜(ワールプール)の底にホットブレイクやホップ粕が 山のように集まる。

wild yeast.(ワイルド・イースト)野生酵母のこと。多くはビールの風味を損ねたり、ビールを濁らせたりする。

wort.(麦汁)糖化液(mash)から抽出した甘い液体。酵母を投入する(pitching)前のホップを加えた甘い麦芽糖の液体。

「Z」

zymurgy.(ザイマジィ)醸造学。アメリカン。ホームブルーワーズ協会の会員誌。

 

 参考図書

NewBrewingLagerBeer(p330-342)

DAVE MILLER’S HOMEBREWING GUIDE (P276-278)

PRINCIPLES OF BREWING SCIENCE (by George Fix)

THE NEW COMPLETE JOY OF HOMEBREWING(by Charlie Papazian)

ビールを愉しむ(上原誠一郎著)(P210-220)

地ビール物語(増山邦英著)

やさしい醸造学(井上喬著)

ビールのはなしPart2(橋本直樹著)

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作成日時 1999年02月08日;適時改訂しています(最終改訂2002/11/23)。